ドイツ式とフランス式の弓の違いについて。(「エッ!そんなのあるの」という人のために)
このページの最終更新日:03/03/15
コントラバスの弓には、「ドイツ式」と「フランス式」とがあります。(「何を今更」という人には、このページは全く関係ありません。)このページでは、私の持っている2本の弓をもとに、この二つの方式の違いを挙げてみます。
このページの弓は、どちらも「杉藤」の「下から数えた方が早い」くらいの「安物」(比較のために同程度の物を使用しています)です。ただし、ドイツ式は25年前の物でフランス式は1999年の物です。
なお、用語に統一を欠くところがあるかも知れません。教則本当で確かめていただければ幸いです。
上がドイツ式、下がフランス式の弓です。どこが違うでしょう。
「色が違う」と思った君。このページを読む資格十分です。 以下で、いくつかの相違点を挙げておきます。 |
なんと言ってもすぐ目に付く違いは、「毛箱」と「弓ねじ」の形の違いでしょう。 この形の違いは、後ほど述べる弓の持ち方から来ています。 毛箱も弓ねじも大きい方がドイツ式、小さい方がフランス式。 |
こうして並べてみると、わずかに長さが違うのがわかるでしょう。 ここで言っている「長さ」は、弾く上で有効な部分の、すなわち毛の長さを言っています。 弓全体の長さは、上に述べた弓ねじの長さの違いから、下に述べる長さより遙かに大きな値となります。 ドイツ式:746mm と、その差約6cmにもなります。 |
上の写真の先端部分の拡大写真。これだけの長さの違いがあります。 私の2本の弓では、約20mmの差があります。長い方がドイツ式で、短い方がフランス式です。 毛箱の先端(毛箱から毛が出ている所)から弓先の後端(弓先の一番毛箱側)までの長さ(普通演奏する上で有効な長さ)は、どちらも毛をゆるめた状態で ドイツ式:555mm |
これも同じ部分。こうして同じ方向に並べてみると、二つの弓の頭の大きさの差がわかるでしょう。 小さい方がドイツ式、大きい方がフランス式です。 |
これがドイツ式の弓の持ち方。(もちろん、arcoの時) ただし、「正しい持ち方」などということに利用しないこと。それに関しては、きちんとした先生に教わるか、教則本等で確かめること。 |
これがフランス式の弓の持ち方。(もちろん、arcoの時) 基本的にはヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ等の弓の持ち方と同じです。これらの楽器を弾いたことのある指導者は、こちらの弓を使わせた方が自信を持って指導できるでしょう。 これは上のドイツ式以上に「正しい持ち方」などという見方をしないこと。 ネット上で詳しくお知りになりたい方は、gorohちゃんのページまで。 |
これはpizz.の時のドイツ式の弓の持ち方。 毛箱に小指を引っかけ、薬指で弓がブレないように押さえます。親指を指番の脇に当て(そうしない人もいます)、人差し指と中指(1本で弾くことも、2本同時に弾くことも、2本を独立させて弾くこともあります)で弦をはじきます。親指で弾く人もいます。 |
こちらはpizz.の時のフランス式の弓の持ち方。 毛箱を掌(てのひら)全体で包むように持ち、小指と薬指で弓がブレないように押さえます。あとは、ドイツ式と同じ要領です。 こちらも詳しくお知りになりたい方は、gorohちゃんのページまで。 |
ドイツ式の弓を持ってpizz.している時の半身像です。 弓先が下に垂れているのがわかりますね。 (すいません、気がついたら楽器の後ろに何かごちゃごちゃ写っていますね。諸般の事情により、撮り直しできませんでした。悪しからず) |
フランス式の弓を持ってpizz.しているときの半身像です。 (社会の安寧秩序を維持するため、また公序良俗を乱すことを恐れ、顔は出しません…かえって不気味か) 弓先が上に上がっているのがわかりますね。 正直のところ、pizz.の時の見た目は、絶対こっちの方が「カッコイイ」と思います。何しろいかにも「pizz.している」というのが遠目にも見えますから。 私は1999年度から、吹奏楽コンクールに限ってフランス式を使用しています(全くの「我流」なのですが)。どうせコンクールなんてもの、人と違うことやって目立たなければおもしろいことはありませんからね。 |
これが「黒毛のフレンチ」 毛の色は一般的な「白」の他にこのような「黒」と、茶色や白が混ざった「混じり」があります。 教則本によると、「黒」は「白」より「引っかかり」が強く、「混じり」は質がよくないとのこと。実感としても、よくわかります。 |
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