#6◆ ビタミンKが肝癌を抑制


ビタミンKは、腸内で産生される脂溶性のビタミンで、プロッコリ−やホウレンソウといった緑色の葉野菜などに含まれています。ビタミンK2(商品名グラケー)は、医薬品として骨粗鬆症の治療薬として使われています。その内服により肝癌が抑制されたという報告が発表されています。また、ビタミンKの内服自体は、安全であり、現時点で肝癌の進行抑制効果を見込んで内服することは問題がないと考えられています。

1)肝癌治療後のビタミンK(商品名グラケー)45mg/日の投与によって、癌細胞の門脈内浸潤が約50%減少し、生存率が約2倍に向上することが、ランダム化比較試験の結果から判明しました。(関東中央病院消化器医長の小池幸宏氏が、第38回日本肝臓学会総会で発表しました。)
2)米国医師会誌「JAMA」2004年7月21日号でビタミンKが肝癌予防に役立つ可能性が明らかになりました。研究者らは1996年から1998年にかけて、平均年齢60歳のウイルス性肝硬変女性40人を治療群またはプラセボ群に無作為に割り付け、治療群に45mgのビタミンK2を含有する錠剤を毎日飲んでもらいました。その結果、肝癌を発症したのは治療群21人のうち2人、プラセボ群19人のうち9人で、年齢、疾患の重症度、治療を調整した後の肝癌発見見込みは、治療群で90%近く低かったとのことでした。
3)肝癌細胞の増殖がビタミンKで抑制されることを示す基礎データーも海外で報告されています。(Ni R.et al:J Biol Chem,273:9906,1998)
4)肝癌治療後のビタミンK(商品名グラケー)45mg/日の投与によって、癌細胞の門脈内浸潤が約50%減少し、生存率が約2倍に向上することが、ランダム化比較試験の結果から判明しました。(関東中央病院消化器医長の小池幸宏氏が、第38回日本肝臓学会総会で発表しています。)